自宅にクライミングウォールを設置

2022年3月30日

東京オリンピックのスポーツクライミングをマカロンに見せていたのですが、興味を持ったらしく、一時期、毎週キッズエリアのあるクライミングジムに通ってボルダリングをみっちり2時間やっていました。(やはりヤンヤ・ガンブレットさんはメッサ強かった。)

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しかしながら、4歳半のビビリなマカロンがボルダリングをやってもなかなか上達しないんですよね。一回挑戦したら交代とか、マットの上には一人ずつとか、スタートとゴールの仕方とか、ルールはもう理解できる年齢です。いや~マジでビビリなんですよ。同じくらいの背の子の取り組みとか、事務スタッフの話を聞くと、この年齢あるあるのようなのですが。まぁこんな感じなんです。

  • ボテの向こうのホールドを取ると胸の前にボテがあって怖い
  • バルジの上は壁が下半分途切れていて怖い
  • コーナー課題で背中より後ろに手を伸ばすのは怖い
  • スラブ壁で両手放しするのが怖い
  • スラブ壁のカンテを片手で持ってもう片手を手放すとこまではできるけど、足を上げるのが怖い

恐怖心を克服するには慣れるしかないんですよね。ちょい高いところから落ちても大丈夫っていう経験を積んでいけば早く慣れると思うのですが、落ちること自体を極端に嫌がるっていう・・・。これも低年齢あるあるです。ま、あえて落ちなくても、登る経験を積んでいけば上達するでしょう。

というわけで、クライミングウォールを作る技術自体はあるので、作ってルートセッティングまでやってみました!

材料

  • ツーバイフォー8フィート × 2本
  • ウォリスト ×2個
  • 15mm厚のサブロク(182cm × 91cm)ラワンベニヤ * 3枚
  • 水性ウレタンニス
  • ビス
  • 爪付きTナット
  • 突っ張り棒

これで2万3000円くらいだったかな。クライミングウォールというのは18mm厚のラワンベニヤなら強傾斜でもルーフでも耐えられるようです。18mmは高いし重いし垂壁ならもうちょっと薄くていいでしょうと思い、15mmにしました。あとクライミングホールドが必要になりますが、安いのから高いのまでピンキリです。後述しますが、今回はBadHoldsというところから40個4万円で仕入れました。最後に、現時点でまだ買っていませんがマットも必要になります。

壁の固定方法

ツーバイフォーをウォリストで突っ張る方式です。突っ張る部材はディアウォール、ラブリコ、ラブリコアイアン、ウォリストといった商品がありますが、一番突っ張り力を強くできるウォリストを選びました。

いずれも強い荷重がかかる用途には使ってはいけません。クライミングウォールは本来下地に直接ビス止めするなどして固定するものです。とはいえ、垂壁であること、子供用であること、そもそも下地の板がどれだけの荷重に耐えられるかわからないこと、突っ張り棒を突っ張らせて横方向からも押さえれば十分強いのではないかということでウォリストで作ることにしました。

作り方

1.天井の高さ-6cmにツーバイフォーを切ります。

最も突っ張り力を高くできるのが-6cmという長さなので、正確に仕上げる必要があります。

こうして、スコヤの足を材にぴったり押し付ければ90°がでます。そこにアングル金具をぴったり押し付けてクランプで固定します。アングルにノコギリをぴったり押し付けて切れば垂直に切ることができます。金属同士が干渉しないよう、アングルにはラワン合板をビス止めしてあります。そのラワン合板にマグネットシートを両面テープで貼り付けてあります。また、ノコギリは265とか9寸目とかの厚みのあるタイプの方がぶれずに真っすぐ下に切り進みやすいです。

2.ツーバイフォーの片側を幅15mm、深さ15mmに削ります。

深さ15mmというのはラワンベニヤの厚さです。上下はウォリストを固定するために残します。ツーバイフォーの中にラワンベニヤをぴったり埋め込もうという方針です。埋め込まずにビス止めした場合、廊下が15mm狭くなる、ツーバイフォーの面取りした柔らかい触感を生かせなくなる、ビスだけで保持するより欠き込んで埋めた方が垂直方向の荷重に強い、マカロンが壁に取り付いた時に壁を引き剥がす方向にモーメントが働くが、突っ張りポイント(支点)との距離が短くなるのでモーメントも弱くなって壁が剥がれにくくなるというメリットがあります。

長物を削るにはこのようにトリマーにストレート治具を付ける方法しか思いつきません。端材で何度か試し切りをして幅が正しいことを確認してから本番に臨みます。この方法、ブレると内側に切り込んでくるので綺麗に一直線な仕上がりにするのは難しいです。実際、何か所か失敗しているところがあります。

ウォリストがかぶさる部分は残します。で、端っこはノミで仕上げます。この画像を見るとトリマーで削ったラインが15mmラインを超えてブレてますね。削り始めが特に難しいです。

3.ウォリストで柱を立てます。

ジャッキ調整ネジがこれから設置するクライミングウォールの裏に隠れないよう、裏表を間違わないように取り付けます。ウォリストとツーバイフォーを固定するためのネジ穴がウォリスト側に空いているので、その穴に合わせてツーバイフォー側にも下穴を空けます。ウォリスト側の2つの穴が線対象な位置に空いていないのですが、裏表を反対にしても大丈夫な位置にはなっています。下穴の位置を合わせるときは裏表気にしなくてよいです。

4.ベニヤ板を切ります。

治具のセット方法は1の手順と同じですが、91cmを手鋸で真っすぐ切るのは難しいです。ここは完全に丸鋸案件ですね。でも丸鋸はかさばるので持っていません。なるべく真っすぐ・・・なるべく真っすぐ・・・と思いながら慎重に切りましたが、1,2mmはずれますねぇ。

5.水性ウレタンニスを塗ります。

画像はありません。載せるほどの工程でもないですからね。ラワンは肌触りが悪いのでウレタンニスでコーティングします。でも、なんか触った感じがラワンよりシナって感じなんですよね。板には確かにラワンって判が押されているのですが・・・。中身はラワンで強度を保ち、表面はシナで肌触りも良くしたってことでしょうか?

6.ボルト穴を空けます。

クライミングホールドを取り付けるには、ドリルで12mmのビットの穴を空け、板の裏側から爪付きTナットというものを打ち込み、取付用の土台を作ります。その穴あけ工程となります。

表から穴を空けるとケガキ線が見えてしまうし、裏から穴を空けると表側がバリバリに板が削れて仕上がりが悪いのが問題だと言っている方がいましたが、このように表を上にして、メジャーをぴんと張って、指定の位置に釘で見当をつければケガキ線は必要ありません。

で、この見当に合わせてドリルで表から穴を空けます。垂直穴あけ治具を作って、この治具を介して垂直な穴を量産していきます。この治具、手先のブレによって少しずつ穴が広がっちゃうので、適当なタイミングで作り直さないといけません。治具があると言っても、治具が長持ちするよう、なるべくブレがないようにドリルを突き立てます。ベニヤ板が浮いていますが、床に穴を空けないようにというのと、捨て板を噛ませて裏側も綺麗に仕上がるようにしています。

7.爪付きTナットを打ち込みます。

ベニヤ板を裏返してパンパン打っていきます。穴が垂直に空いていれば何の問題もなく食い込むはず。

8.ベニヤ板を固定します。

ツーバイフォーの切り欠いたところにピッタリはめます。といっても、ツーバイフォーはトリマーのブレで削れ過ぎているところがあるし、ベニヤ板はちょっとずれて切れているのでよ~く見ると隙間が空いていますが、仕方ないですね。そしてドリルで下穴を空けてから38mmのビスをねじ込みます。最後にウォリスト付近に突っ張り棒をはめ込めば壁は完成です。勢い余っても壁が剥がれないように突っ張り棒で補強します。

9.ホールドを取り付けて完成!!

ホールドについて

BAD HOLDSというところにメールを送信して見積もってもらいました。一から壁を作るのに適したセットとかで注文でき、まんべんなく揃えることができたと思っています。

楽天やアマゾンでもクライミングホールドを扱っていますが、やっすいヤツはツルツルしていてジムにあるのとはまるで違うので注意してください。楽天だとゴライアスというメーカーはジムにあるようなまともな商品っぽいです。

マカロンの反応は・・・

楽しんで登ってくれています。よかったよかった。ジムで登れていない課題を模したコース設定にしましたが、やっぱ登れませんねぇ。自分で考えたコースでトップまで登っています。どれくらいはまってくれるかわからないけど、激強女ボルダーに成長してくれたら嬉しいなぁ。

木工DIY

Posted by たー