ケヤキの玉切りをチェーンソーで縦挽き、からの本実接ぎで一枚板作成

2022年3月30日

これをやり始めたのは年末でした・・・。まず、チェーンソーで芯芯を狙って縦挽き真っ二つにし、分かれたそれぞれを5cm厚くらいにまた縦挽き、それをトロ船で水中乾燥すること一ヵ月。水中乾燥中は数日に一回、真冬の冷たい水を入れ替えます。

既にトロ船から引き揚げて表面乾いていますが、イメージとしてはこんな感じです。

引き揚げてから陰干しすること、一ヵ月半、ようやく作業開始です。が、精度が要求されるので一工程ごとに時間がかかり、かかりっきり過ぎてブログの更新が一か月以上止まってしまいました。

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やりたいことは、タイトルのとおり本実接ぎでケヤキの一枚板を作ることです(前置きが長くなりました)。玄関に(ケヤキ製の)ベンチだけあるので、テーブルも置いてみたいなと思い、ケヤキの大玉が手に入るのを待っていました。とはいえ、それ一玉でサイドテーブルサイズに使えるような巨木の玉は手に入りそうにないので、柾目で切り出して接ぎ合わせます。あと、多分サイドテーブルサイズの巨木だったら板にするんじゃなくて臼を作りたいです。

さて、接ぎというのは板を並べて接合することをいいます。その中でも本実接ぎというのは・・・

このように凹凸を嚙合わせた仕口です。仕口自体の結合力を得るとともに、接合面を増やし、接着剤の効きを良くする効果があります。

ホームセンターで売っているラワンや桐の集成材は何の加工もしていない平らな面を突き合わせていますが、これを芋接ぎといいます。これは隙間があると接着剤の効きが悪くて剥がれちゃうので、こっちのほうがむしろ素人向きではありません。正確に平面を切り出せる工業製品の成せる業です。素人は凹凹同士にベニヤ板を挟む雇い実接ぎか、ビスケットジョイントをやっとけって感じです。これらはトリマーやルーターで加工するときに、左右に対して同じ設定で通じるからやりやすいんですね。雇い実接ぎの場合、ラワンベニヤ板を雇うのが定番らしいのですが、トリマーに4mmの横溝ビットを装着して溝掘りすると、4mm厚のラワンベニヤ板が玄翁で軽くたたいてはまる絶妙な仕上がりになるようです。(Youtubeにいくつか動画が上がっています。)または、ストレートビットにもベニヤ板の規格にも4mmと12mmがあるので、どちらかで溝掘りしてもよさそうです。

しかしながら、今回、たーは本実接ぎに挑戦します。理由は、ベニヤ板のような材質の異なる異物を挟みたくなかったからです。せっかく銘木となりうるケヤキを使うんですから、できれば無垢のケヤキだけで仕上げたいですね。本実接ぎは凹凸それぞれを高さをきっちり合わせてピッタリ合うよう加工しないと、接合したときに段差(目違いというらしい)ができてしまうので、難易度が高くなります。ま、がんばりましょう!

まずはざっくり耳を切り落とした上で縦半分に切ります。あと、今回からエクレアを起こさないよう、外で作業しています。

暴れやすいと言われるケヤキですが、その反りが出にくいよう柾目部分を使います。しかし、中心部分というのはひび割れてグズグズになりやすいんですよね。だから芯のひび割れて使えない部分をさらに切り落とす必要があり、このように4分割することになります。つまり植木算で3か所の本実接ぎをしないといけません。。。

それから、8寸目の縦挽き鋸で厚さ5cmほどを切ったのですが、薄くて柔らかいせいか裏側は木目のうねりに合わせて波打って切れてしまいます。次工程の加工が大変になりました? 硬木用で縦挽きの手鋸というのは売っていないようですね。縦挽き専用の手鋸だとゼットソーの8寸目と300があるようですが、300の方が厚いのでこちらを使った方がよさそうです。丸鋸があれば丸鋸一択ですが。

次、チェーンソーでの縦挽きは手持ちで切ったので、上の写真のとおり、すんごい粗削りです。グラインダーで軽く均します。削り方ですが、斜めに構えて、ディスクの辺縁を押し当てます。ディスクの面というより線で削る感じです。そのため、精度が要求される場面ではまったく向きません。強力だし番手が荒いので、このような粗削りの段階では硬いケヤキでもサクサク削れて気持ちいいですね。

次、平らな面の上に材を置き、橋を置き、橋の上でトリマーを往復させることで平面加工します。ビットは一番太い12mmを使うのが効率いいです。表裏ともデコボコな状態からのスタートなので、置いた状態が大きく傾いていることもあります。そのため、何度もひっくり返しながらちょっとずつ削っていきます。一気に深めに削ると傾いた状態で平面が出て最終的に薄く仕上がってしまいます。

加工後、4枚並べてみました。4枚とも均等な厚さで平面を出せたと思います。裸電球一個でやっているので夜は暗いです。

では、結構書いたので一旦ここで今日は終わりにします。

木工DIY

Posted by たー