薪ストーブに銅管熱交換システムを導入

2022年4月1日

ブログを始めた頃に「ウチの薪ストーブ風景」として鍋が載っているところを紹介しましたが、

この3つの鍋を3回風呂に入れて75Lくらいです。足し水30Lやってなんとか100L超えでギリギリガスを使わずに風呂に入れます。

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一回沸くのに約1時間かかりますが、ド寒い日は水が冷たいのでさらに時間がかかりますし、足し水で冷えすぎてしまいます。昨シーズンは風呂に入っている間も天板で沸かしてちーにデリバリーをお願いすることも多々ありました。(それでも何とかガスを使わずに済んではいました。)

そんなわけで、湯沸かし事情を改善するために今回は熱交換システムを導入した話をします。

ちなみに、風呂に湯を入れ終わった後に薪をくべようとしたら、ちーに「何でまだ薪入れるの?」って聞かれてしまいました。あのねぇ、薪ストーブは部屋を暖めるためにあるんですよ。風呂に入るためのものではありません。

必要な工具

  • 銅管カッター
  • モンキーレンチ
  • 電動ドリル
  • ステンレス用ドリルビット(今回はコバルトハイス鋼4.5mmを使用)
  • ダイヤモンドやすり

必要な材料

  • 銅管(10mと3m)
  • 継手各種(リングジョイント、ボールバルブ、ホースアダプタ、3方リングチーズ、タンク取付金具)
  • シールテープ
  • 25Lの深角型キッチンポット(ステンレス製)
  • バーベキュー網(45×30cm、最終的には使っていない)

構想

まず、作ろうとしているのは2穴式で、下から冷たい水を銅管に通し、水が温まると上に行く性質を利用してポンプなしで上に循環させる(サーモサイフォン)というものです。太陽熱温水システムも同じ原理で動いているし、ガスの給湯器も今は1穴だけど昔は2穴で同じ原理で動いています。以下のブログを参考にしました。

わはは牧場
KOMINKA YAMANE
NPO グリーンズ

KOMINKA YAMANEの家主さんが悩んでいたように、タンクの選定が難しいです。参考ブログではみんな吹き抜けとか屋根を利用してかなり上のほうに巨大なタンクを置いていますが、ウチは吹き抜けがなく、高い位置で重いものを保持するような普請はできそうにありません。水漏れを防ぎスペースを有効活用するために、「①形は角型」、薪ストーブの隣に置かざるを得ないので「②金属製」でないと熱に耐えられなそう、置けても「③50Lまで」かなということで選んだのがこれ。

ステンレスなんだよな~、穴開けられんのかなぁ?というのが気になるところですが、アルミ製はなかったので仕方がなく購入しました。結果として、ステンレスの熱伝導性の低さか、体積の問題かはわかりませんが、風呂水用に使ってすぐ冷たい水を入れ直し、薪ストーブである程度温めると、その水が次の日の夕方になっても水道水よりは温かいので、穴さえ開けばステンレスはよいです。

キッチンポットが30cm四方なので、

の、30cmのバーで棚を作ればピッタリはまります。

手順

まずは新品のキッチンポットにいきなり穴をあけます。タンク取付金具が余裕をもって収まる平面だとこの2点がよさそうです。

この穴あけのためだけにステンレス用のドリルビットとダイヤモンドやすりを購入しました。で、黒線上に穴をあけていって、穴と穴の間をダイヤモンドやすりで削って大きな穴とします。2つ目の黒線上に穴をあけるところで問題発生。ドリルビットが全然削れなくなってしまいました。調べてみると、掘削中に熱を持ってしまい、ドリルビットが変形して削れなくなってしまったようです。ダイヤモンドやすりでビット先端を整えたのですが、素人に研げるものではなく、もう一本買うことになってしまいました。削る際に油を差したほうがいいらしいです。KURE-556でもないよりはましとのことです。というわけで手元にあったWAKOSのメンテルーブを差しながらやってみました。

ふぅ、何とか穴あいたゼ。

タンク取付金具を付けるとこんな感じです。タンク取付金具はタンク内部が出っ張るように付けます。キッチンポットが0.8mm厚なので、出っ張りすぎてなんか不格好です。

一方、銅管はこのようにグルグルにして・・・

こんなふうにキッチンポットと接続します。継手はどれもモンキーレンチ2本で共締めできるようになっているので、接続は簡単です。オフシーズンに銅管内から完全に水抜きできるよう、バルブを取り付けてみました。緑青は全然欲しくないのでね。バルブを開ければ下穴の水位まではキッチンポットの水を得ることができるのですが、遅い。銅管が細いしリデュースドバルブなんで仕方ないですね。通常は灯油用ポンプを使い、サイフォンの原理で水を得ています。

さて、このシステムの湯沸かし能力ですが、

全然ダメ。

10分くらい待つとボコボコボコっと上の穴から湯が出てきてまた一休み。銅管を触ってみてもなかなか温まらないのがわかります。結局3時間粘って+5℃くらいです。 ちーにも「全然使えないね!」って言われてしまいました。

う~ん、どうしたもんじゃろの。。。先人の知恵(わはは牧場)を借りて煙突に銅管を巻いてみるか? シングル部分の長さ(高さ)から巻ける回数がわかり、煙突径から一周分の長さがわかります。計算すると8.5mくらい巻けることになります。丁度いいっぽいな。ということで、

できたバージョン2がこちら。煙突に巻いたところ、キッチンポットの上の穴からはゆらゆらと熱湯が出始め、3時間で40~50℃ほど温めることができました。上出来。

ついでに、蓋がかなり熱くなるので、この上に洗濯物を一枚置いておくとアイロン替わりでよく乾きます。

鍋の方は天板の温度が上がらないと温まりませんが、熾火になっても天板が熱いうちは温まります。一方、熱交換システムは炎が煙突まで到達するくらいに勢いよく燃えていれば温まりますが、熾火では動かないようです。

これにて、昨シーズン+25L+α(熱すぎる分を薄める水)で風呂事情はかなり快適になりました。めでたしめでたし。