銅管継手とは? 継手を各種紹介

2021年9月13日

薪ストーブで湯を沸かす方法を見てみると、銅管を使って熱交換システムを組んでいるブログがいくつか見つかります。

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ほぅほぅ、なるほど、と思って調べてみたのですが、管をどうつなげば水漏れしないでつながるのか、なかなかわかりませんでした。情報がほとんどなくて、Google先生が塩対応なんです。仕方がないので、モノタロウとか継手製造メーカーのサイトをとことん見て、ようやく継手をどう使うかわかってきました。ここで今までの知見をまとめておこうと思います。

※画像はモノタロウから引用

銅管について

継手の前にまずは母体となる銅管ですが、これも2種類あります。硬くて真っすぐな銅管(直管)と曲げやすく巻いた状態の「なまし銅管」です。「なまし銅管」は焼きなましを行って柔らかくしてあり、筒状のものに沿って力をかけるとすぐ曲がります。銅管で何か加工しようと思った場合は「なまし銅管」を選びます。

溶接する継手、しない継手

左が溶接する継手、右がしない継手です。左でやろうとすると、温めるためのトーチ(バーナー)が必要になります。こちらはYoutubeにいろいろ動画がアップされているのでそちらを見てください。素人には難しそうですね。なのでこのページではこれ以上は扱いません。一方、右はモンキーレンチ2本あれば継ぐことができます。方法はこちらです。

動画のとおり、中にソロバン玉というのが入っています。締めこんでいくと、このソロバン玉がはまった位置の前後部分の銅管が膨らむように変形して全体が密着し水漏れを防ぎます。銅管が変形してしまうので、ネジを外してもソロバン玉は回収できません。変形部分を切り落とし、新たなソロバン玉をはめて締めこむことになります。

平行ネジ(G) と・・・テーパーネジ(R,Rc,RP)?

平行ネジというのは普段いたるところで見かけるネジで、ナットがネジ頭にぶつかるまで回るタイプです。これには水(やガス)の漏れを防ぐ力はありません。タンク取付金具(後述)やユニット取出器具(後述)の壁や容器を挟み込む部分などに使われます。一方、水漏れを防ぐ力があるのがテーパーネジです。テーパーというのは先細りという意味で、締め始めは先が細いのでネジが回りますが、だんだん太くなって途中でつっかえます。こうやって漏れを防ぐ仕組みです。テーパーネジには3種類あって、

  • R: テーパーオネジ
  • Rc: テーパーメネジ
  • Rp: テーパーオネジ用平行メネジ

となっています。おい、ちょい待て、Rpって平行なの?テーパーなの?ってなるけど、作り自体は平行ネジです。しかしテーパーオネジが噛み合うようになっています。つまり水の通るところはR,RC,Rpで統一すればよいです。

シールテープ

水漏れを防ぎたいネジ山に巻くテープです。品物の使用方法を見ると4巻きが標準らしいです。接着力は全くないので巻きにくいです。継手のネジ同士の接合部分には必ず巻くものらしいです。前述の銅管と直接つなぐ火なしアダプタには不要です。

継手各種紹介

というわけでお待たせしました。ここから、いくら調べてもなかなかわからなかった各種継手の役割を紹介していきます。

両口リングジョイント

双方を銅管とつなぎます。 銅管の径に合わせて選びます。水漏れを防ぐ仕組みは上に書いたとおりです。途中で銅管が足りなくなったとき、継ぎ足すために使うんだと思います。銅管が十分に長ければ必要ないはずです。

ちなみにオネジに(銅管接続用の)ナットではなく、(径が合えば)メネジタイプの別の継手をつなぐことも可能です。

リングジョイント

片方は銅管とつなぎ、もう片方はネジ接合します。つまり銅管から流れてくるものを別の世界へと誘導するもので、何か作るうえで必須の継手といえます。銅管とつなぐ径と、ネジの径で2つ要素があるのでバリエーションも多いです。

エルボ

見たまんま、90度や45度に曲げるための継手です。なまし銅管自体は手で曲げることができるのに両口リングジョイントタイプは使いどころがあるのか?と思いますが、銅管はピシッと90度には曲げられません。ゆる~く曲げてやらないとめきょっとへこみながら折れます。なので、ピシッと曲げたい場合には有用です。片方がネジ接合のタイプも同様に90度に曲げながらつなげたい場合に使います。

チーズ

分岐するための継手です。モノタロウでは三方とも銅管接続、三方ともオネジ、三方ともメネジ、二方が銅管接続で一方がオネジのタイプが見つかります。さらに銅管の径とネジのサイズで組み合わせがあるので一番バリエーションが多く、間違いなく選ぶのには注意が必要です。

ホースニップル

ゴムホースとつなぐための継手です。 ネジの径とホース径で組み合わせがあります。バルブがメネジなのでバルブに直結する使い方がいいと思いました。ゴムホースのメジャーな内径は12mmか15mmなので、それに合わせるのが良いです。

バルブ

バルブの機能そのものはまぁ説明するまでもないでしょう。検索するときは「バルブ」としましょう。「蛇口」や「コック」ではいまいちヒットしません。細かな種類としてはボールバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブあたりがあります。DIYしやすい細めの銅管が相手なら、90度の操作で開閉できるボールバルブがよいです。ゲートバルブやグローブバルブは値段がお高めだし、開閉に時間がかかるし、太い管向きなのでしょう。あと、ボールバルブとゲートバルブは全開か全閉でしか使えません(半端に開いているとバルブに想定していない負荷がかかります)。

ボールバルブですが、この中でもさらに種類があります。まず、レバーが片側のタイプと両側のタイプがあります。狭いところだと片側の方が干渉しやすいです。操作はテコの原理が働く分、片側の方が楽ではありますが、両側タイプでも大して変わりません。そしてフルボアとレデュースドボアがあります。開閉を制御する玉の大きさで、大きいのがフルボアであり、流路が太いままなので流量が多くなります。レデュースドボアは逆ですね。流量でどちらにするか決めればよいです。

ブッシング

オネジを太くする、またはメネジを細くするための継手です。オネジを細くしたい場合はこの次に紹介するソケットでオスメスを切り替える必要があります。そしてメネジを太くしたい場合はこの次の次に紹介するニップルでオスメスを切り替える必要があります。

ソケット

オネジ同士の接続にと説明がありますが、つまりはオネジをメネジに変換する継手と考えてもよいです。異径のバリエーションがあります。六角形部分がなくてどうやって締めこむのか気になるところではありますが、調べきれませんでした。

ニップル

メネジ同士の接続にと説明がありますが、つまりはメネジをオネジに変換する継手と考えてもよいです。異径のバリエーションがあったり、長めのもあったりします。

タンク取付金具

タンクの液体を吐き出させる継手、というか金具です。銅管とつなぐのであればメネジ側がRp(テーパーオネジ用平行メネジ)になっているものを選びます。オネジ側はナットでパッキンを密着させるために締めこむのでG(平行ネジ)になっています。タンクの内側が出っ張るように取り付けます。

水切金具

こちらも タンクの液体を吐き出させる継手、というか金具です。 タンク取付金具と見比べるとナット締めこみようのG(平行ネジ)の先にR(テーパーネジ)が伸びているので、ここに銅管から来たメネジを接続できます。つまりタンクの外側が出っ張るように付けられます。そしてメネジの方もRp( テーパーオネジ用平行メネジ )になっているのでタンク取付金具と同じようにタンクの内側が出っ張る付け方も可能と思われます。さらに、この画像のタイプはネジ穴があるので壁を隔てたあっちとこっちの世界の境界で切られた銅管をつなぐことができると思われます。

ユニット取出器具

ウチの給湯器にも付いています。調べたけどいまいちよくわからなかったのがコレです。おそらく、ネジ穴があるので壁を隔てたあっちとこっちの世界の境界で切られた銅管をつなぐ器具だと思います。ある程度厚めの壁でないとネジが貫通してしまうのでタンクには付かないし、管同士をつなぐならパッキンはいらないし・・・どう使うのでしょう?

以上。調べるのもこの記事を書くのも時間かかったなー。