障子張り、こんなときどうする?

2022年4月2日

障子張りしました。ウチはいはゆる「昭和の家」をリノベーションしているので、リノベ前よりは少ないとはいえ、全部で14枚の障子があり、うち10枚は雪見障子なので、実質24枚分の障子を張らないといけません。

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見よ、この重ねた障子の枚数!

2年ごとに張り替えているのですが、だいぶ上達してきたので、今までの失敗などをまとめてみようと思います。チューブタイプののりは使わず、アイロンなんて邪道だーと思う古い人間なので昔ながらの刷毛でのり付けする方法を紹介します。

最低限必要なものは?

のり、刷毛、カッター、ハサミ、洗濯ばさみ、定規、雑巾。

ヘラを挙げているサイトもありますが、定規で代用できるので不要です。ハサミはカッターで切り終えた後の端っこを処理するために使います。まぁなくても何とかなるかな。道具を画像にするとこんな感じです。

のりがダマになって溶けない

のりは30~40グラムくらいずつ計量カップくらいの容器に移し、3.5倍の水で薄めます。乾き気味で硬いと感じたら電子レンジで何度か温めると柔らかくなります。老化(β化)しているでんぷんが温まって糊化(α化)するんですね。このくらいの量なら、電子レンジでも溶かしきれないダマの部分はバターナイフでつぶせます。ちなみに障子14枚分だと120~150グラムくらい必要です。欲張って多く出しすぎると、容器が大きすぎてダマの部分をつぶすのが難しくなります。様子見しながらちびちび薄めましょう。

桟に塗るときにのりが垂れる

Youtubeのいくつかの動画を見ると文字どおり塗っているように見えますが、たーとしては塗るより叩くようにしたほうが上手くのりを乗せられます。刷毛の先っちょにのりを漬けたら、パンパンパンっと桟に叩きつけていって、刷毛ののりが切れたところで叩きつけたところをこすり直す感じですかね。そうすると垂れずに適度な量が塗れます。垂れてしまった場合、いや、垂れていなくても、余分なのりを取り除くため、桟の枠を指で一周します。この辺はいろんなYoutube動画でやっています。

張るときに障子がずれる

なるべく強い洗濯ばさみで端を固定するのがよいです。テープで仮止めする方法も紹介されていますが、張る前に障子紙が完全に裏返ってしまっているのでやりにくく感じます。テープで留めた端っこまで巻き戻ってしまうんですね。洗濯ばさみで固定すると、洗濯ばさみが障害になって障子紙が裏返るのではなく反るのでクルクルっと伸ばしやすいです。

障子を張った後、上手く切れない

必ず障子張り用の曲刀タイプのカッターを使うべきです。障子紙がのりで濡れて色が変わっているうちは無理に切らないほうがいいです。元の紙の色に戻ったあたりが切り時の生乾き状態です。一番分厚くのりが乗ったところが生乾きになったところで切ります。また、障子紙にもいろいろ厚さがあり、厚いほど切りにくいので生乾きにすることが重要になります。薄い障子紙は濡れていても比較的切りやすいです。

桟に塗り忘れがあった

何枚も塗っているとね、たまにやってしまうんだよね。すぐに剥がして塗り忘れ部分を塗れば大丈夫です。ただし、巻き戻したときにのりが意図せぬところについてしまうので、巻き戻すのはムリ。巻かずに剥がす。その分のスペースが必要になりますね。

張った後がなんか黄色いような・・・

のりで木の成分が溶け出して黄色くなっちゃったんですね。古い障子紙を剥がした後、早く張りたい気持ちをぐっとこらえて完全に乾くのを待つべし。完全に乾かすためにも、長雨が続いた後なんかは木が水分を含んでいるので避けた方がよいです。え、どんだけ乾かしても黄色くなるって? そりゃあウチと同じですね。きっと木が古いんです。

滲んだ

のりの付けすぎですね。裏返して定規でのりをすくい取ってドライヤーで乾かせば被害は少なくなると思いますが、これ以上の広がりを抑えるだけで既に滲んだ所はもうどうしようもありません。たーは諦めて何もしません。

綺麗に張れたと思ったのに敷居に取り付けてみたら歪んでる!?

力入れて無理やりはめ込んだのでしょうか? 建付けが悪かったり、経年で鴨井が垂れてきたり、長雨が続いて敷居も鴨井も太った状態だとはまりにくくなります。なるべく障子が完全に乾ききるのを待って敷居に納めるべし。歪んだものを直す方法は多分ないです。年数が経つと、鴨井は真ん中が垂れさがって低くなります。だから真ん中ではなく端っこから納めるのが良いです。え、それでもきついのか、そりゃあウチと同じだな。木枠の上辺を削るか、鴨井を削らないと治りません。または土壁を壊して新しい鴨居を付けなおすか・・・。鴨居にも種類があり、天井裏からフックで釣り上げれば改善するタイプもあります。鴨居を削るときには作理鉋を使います。

こんな感じでしょうかね。

今回の張替えで使ったのは、居間と奥座敷でそれぞれこちらです。

省エネ遮熱障子紙の印象としては、分厚いです。ちょっとでも濡れているとさっぱり切れませんし、最初からピタッときれいに貼り付けないと出来上がりもピンピンに引っ張られません。上級者向き。でも、前回も使って、2年近く張っていましたが夏はエアコンでよく冷えますし、冬は薪ストーブが温かいですし、遮熱効果はありそうだと感じています。ずぶの素人にはお勧めしませんが、障子張り経験を1,2度積んでいれば普通に張れるのではないかと思います。

極め直兵衛は謳い文句通り張りやすいですし、濡れていても切りやすいです。初心者向き。省エネ遮熱障子紙より薄い分、よく光を通し、こっちのが断然明るいです。こちらは昼間はあまり電気を付けない奥座敷向きです。

どちらも説明通りにできていて良い商品だと思います。

いやぁ、今回も頑張りました。

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Posted by たー